市民のための「里山林整備指針」

 背景


 神奈川県にはおよそ50,000ヘクタールの広葉樹林があり、その多くは里山林あるいは雑木林といわれる半自然の森林になっています。
 社会状況の変化にともなって、そのほとんどが放置された状態となっています。防犯上の問題もありますが、同時に里山の生き物も減少するなどの自然環境上の問題も起きています。

 こうした里山林を市民が管理する市民参加型の活動は80年代の後半に神奈川県をはじめとして全国で行われるようになりました。現在でも、神奈川県では全国でも有数のグループが参加して保全活動を行っています。県全域では500ヘクタールを超す森林が市民によって保全されています。

 ところがこうした里山林の管理手法は、スギ・ヒノキの人工林管理と同じ手法で進められてきたケースが多く、どうしても建築材を育てるような考え方をしがちでした。
 そこで、当所では3年間の研究成果と、県内各所の市民活動の成果を合わせて、市民が主体的に里山林の保全活動を行うための「里山林整備指針」を作成しました。

 整備指針の内容

 この指針は、@安全に、A楽しく持続させながら、B学びながら、C新しい考え方を受け入れる、という視点から次のような内容で構成されています。
 第1章 里山林に入ってみよう
 第2章 里山林の価値
 第3章 市民による里山管理手法
 第4章 森の恵み 産業とホビー
 第5章 目標別里山林の整備方法
 第6章 里山林の新しい利用と知見
 第7章 海外の事例