各山地は、北から小仏山地、丹沢山地、箱根外輪山の順に並んでいます。
水系でみると、小仏山地と丹沢山地の東部(北部と東部)は相模川水系に属し、丹沢山地の西部と箱根外輪山は酒匂川水系に属します。
ここでは、水源の森林エリアの自然環境を理解するため、地形や地質分布をふまえて、下図のとおりエリアを区分しました。(相模川以北を小仏山地とし、丹沢山地と箱根外輪山は山北町と南足柄市の市町村界で区分しました。)
以降では、この区分により山地ごとの森林や自然環境の各種指標値を算出し、その特徴を解説しています。
国土地理院基盤地図情報(数値標高モデル10mメッシュ)より作成
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丹沢大山ナビ(自然環境保全センター)
自然公園歩道情報(自然環境保全センター)
水源の森林エリアは、県土面積の約3割を占め、734平方キロメートルです。
(水源の森林エリアの外郭線で囲まれた部分の全面積。一部に森林でない土地も含まれるため、森林面積を積み上げた事業計画上の面積とは異なります。)
水源の森林エリアの全面積のうち、多くを占めるのが丹沢山地であり、全体の約83%、小仏山地は約7%、箱根外輪山は11%を占めます。
水源の森林エリアについて、県の森林再生のゾーン区分(※)に合わせて、標高800m以上、標高300~800m、標高300m以下の3つの標高帯の分布を示しました。
標高800m以上の森林は、丹沢山地の中央部から山梨県境にかけて集中して分布します。
ここには、丹沢山地の最高峰である標高1673mの蛭ヶ岳をはじめ、標高1500mを超える9座の山々が連なり、主稜線となっています。この主稜線に沿ってブナなどの自然林が分布し、丹沢大山国定公園や県立丹沢大山自然公園の中心となっています。
また、相模川沿いをはじめ、山麓部には標高300m未満の森林が分布します。標高が低いということに加え市街地や農地等に近い距離にあるという立地環境です。
国土地理院基盤地図情報(数値標高モデル10mメッシュ)より作成
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かながわの自然公園について(環境農政局緑政部自然環境保全課)
丹沢大山自然環境情報ステーション 【e-Tanzawa】(自然環境保全センター)
丹沢のブナ林と衰退実態や対策(自然環境保全センター)
水源の森林エリアの山地ごと、標高帯ごとに面積を集計しました。標高帯別では、最も多くの面積を占めるのが中標高(標高300~800m)に区分されるエリアです。
さらに、山地ごとの標高帯別面積割合をみると、最も大きな割合を占めるのは標高300m以上800m未満のエリアですが、標高300m未満の森林も各山地の面積の20~35%程度を占めており決して少なくないことがわかります。
(詳しくは、森林再生課のページ「かながわ森林再生50年構想」をご覧ください。)
・ブナ林など自然林を再生するゾーン:標高800m以上
・多様な生きものが共存するゾーン:標高300~800m
・身近なみどりを継承し再生するゾーン:標高300m未満
・木材資源を循環利用するゾーン:標高800m未満の林道から近い人工林