丹沢山付近におけるブナ林の枯死
ブナは本来、湿潤な立地を好み、多雪地帯に生育する植物です。また、浅根性で、地表50cm付近から多く土壌水分を吸収していることがわかっています。
しかし、ブナの生息する丹沢山地は、1990年代以降暖冬に見舞われたため、積雪が少ない傾向にあります。また、以前は空中湿度が高く、雨が多い地域であったのが、近年では雨がまとまって降る傾向があり、夏場に乾燥する傾向が見られます。更に、シカが過密化しているブナ林では、林床植生の消失により土壌が露出しており、乾燥化が進む要因となっています。