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ブナ衰退の実態

現在、丹沢山地の主稜線一帯ではブナをはじめとした高木(ブナ林)の衰弱・枯死が進行しています。その原因はオゾンなど大気汚染の影響、ブナの葉だけを食べるブナハバチの大発生、温暖化、少雪化、林床植生の退行、土壌乾燥化などによる水分ストレスなどが複合的に関係すると考えられています。
主稜線部の南から南西斜面ではブナ林が衰弱し、ササ原になったところもあります。森林消失に至らないところでも、弱ったブナに対してブナハバチの大発生が繰り返されると、ブナが枯死してしまいます。また、このような場所では過密化したシカが稚樹を食べてしまうため、ブナの更新が行われず、将来、ブナを欠いた森林に変容する可能性があります。さらに、ブナ林の消失や構造の変化は、ブナに依存するネズミ類やツキノワグマをはじめとしたさまざまな生きものにも影響を及ぼします。





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